メルカリの帳簿付けは、売上・手数料・送料・仕入れの4項目を日付順に記録するだけで始められます。 メルカリの取引履歴はアプリとPCウェブ版の両方から確認でき、今日の取引から記録を始めることができます。 この記事を読むと、何をどの列に記録すればよいかが分かり、ExcelでもソフトでもどちらでもOKな理由を判断したうえで、実際に帳簿を作り始められます。

メルカリの帳簿付けで記録すべき4つの項目

帳簿付けの目的はシンプルです。「いくら稼いで、いくら使ったか」を税務署に説明できる状態にすることです。難しい会計知識より先に、記録すべき項目を把握するところから始めましょう。

メルカリの帳簿付けで押さえるべき項目は、次の4つです。

  • 販売価格(売上):購入者が支払った金額
  • メルカリ販売手数料(10%):販売価格に対して自動的に差し引かれる手数料
  • 送料:らくらくメルカリ便・ゆうゆうメルカリ便などの実費
  • 仕入れ値または梱包材費:商品の取得にかかったコスト、ダンボール・緩衝材なども含む

この4項目を日付順に1行ずつ書き並べていくだけで、収支の骨格が出来上がります。

白色申告と青色申告で帳簿の難易度が変わる

確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、選んだ方式によって帳簿の作り方が大きく異なります。

白色申告は、収入と支出を記録した「収支内訳書」を提出する形式です。複式簿記(借方・貸方に分けて記録する方式)は不要で、1行1取引の簡易的なメモでも要件を満たします。フリマ販売を始めたばかりで帳簿に慣れていない場合は、まず白色申告の簡易帳簿から始めるのが現実的です。

一方、青色申告では最大65万円の特別控除を受けられます。ただし、複式簿記での記帳が条件になるため、会計ソフトなしで一から手書きするのはハードルが上がります。取引が増えて利益が出てきたタイミングで、青色申告への切り替えを検討する流れが自然です。

帳簿の保管期間は最低5年(青色申告は7年)

記録した帳簿は、申告後もしばらく手元に保管する義務があります。保存期間は帳簿・書類の種類や申告区分によって5年または7年が目安です。領収書や送料の明細なども同様に保管が必要になります。

保管方法は紙でもデジタルでも構いません。ExcelファイルやPDFをフォルダ分けして保存しておく形で十分対応できます。ただし、ファイルを誤って削除してしまうリスクを考えると、クラウドストレージへのバックアップも合わせて習慣にしておくと安心です。

帳簿の記録項目と申告方式の選び方が整理できたところで、次は「どこまでが収入でどこからが経費か」という判断基準を確認します。

売上・経費・仕入れをどう分けるか|帳簿に記録する判断基準

収入と経費の区別があいまいなまま記録を進めると、確定申告の直前に修正が大量に発生します。まずここで判断基準を整理しておきます。

経費にできるもの・できないものの線引き

帳簿に「売上」として記録するのは、手数料や送料を差し引く前の販売価格です。たとえば3,000円で売れた場合、手数料300円・送料210円を引いた後の金額ではなく、3,000円がそのまま収入になります。手数料と送料は別途「経費」として記録します。

経費として計上できる主な項目は次のとおりです。

  • 仕入れ値(実際に支払った金額のみ)
  • メルカリ販売手数料(販売価格の10%)
  • 送料実費(らくらく・ゆうゆうメルカリ便など)
  • 梱包資材費(ダンボール・緩衝材・ガムテープ等)
  • 仕入れ時の交通費
  • 出品用の撮影機材(事業利用分を按分)

一方、経費にできないものも明確にしておく必要があります。自分が使うために買ったものをついでに出品した場合、購入費は原則として経費になりません。個人的な食費や交際費も同様です。メルカリポイントを使って仕入れた場合は、ポイント分ではなく実際に支払った現金部分だけが経費として認められます。

判断に迷う項目、たとえばスマホ代や自宅の家賃を按分する場合などは、この記事の範囲を超えるため、税理士に確認することをおすすめします。

不用品売却と継続販売で所得区分が変わる目安

メルカリでの収入がどの所得区分に該当するかによって、帳簿の扱いが変わります。

自宅にある衣服や生活用品などの不用品を一時的に売るだけなら、生活用動産の売却として所得税がかからないケースがあります。ただし、仕入れて継続的に販売している場合や、高額な貴金属・骨とう品などを売る場合は扱いが変わるため、単なる不用品売却と副業販売は分けて考える必要があります。

対して、継続的に商品を仕入れて販売している場合は「事業所得」として扱われる目安になります。事業所得になると、青色申告を選択すれば最大65万円の青色申告特別控除(所得から差し引ける控除)が使えます。ただし複式簿記での記帳が要件になるため、ハードルは上がります。

「どちらになるか分からない」という場合でも、収支の記録だけは早めに始めておくことが大切です。記録があれば後から判断を修正できますが、記録がないと後追いで再現するのが困難になります。

判断基準が整理できたところで、次は実際の記録手順に入ります。

メルカリの取引履歴を帳簿に記録する具体的な手順

判断基準が整理できれば、あとは実際に手を動かすだけです。帳簿付けの作業自体は、メルカリの取引履歴を1行ずつ転記するシンプルな繰り返しです。

メルカリアプリから取引履歴を確認・エクスポートする方法

まずアプリ側で販売履歴を確認します。手順は以下の流れです。

  1. アプリ下部の「マイページ」をタップ
  2. 「売上・振込申請」を開く
  3. 「取引一覧」から販売済み商品の一覧を確認する

アプリでは1件ずつ金額を確認できます。件数が多い場合は、PCブラウザ版の販売履歴も確認すると一覧で見やすくなります。ただし、個人メルカリはCSV出力に対応していないため、Excelで管理する場合は販売履歴を見ながら転記するか、CSV化できる専用ツールを使う形になります。

過去分をさかのぼる場合も、取引一覧を古い順に確認しながら1件ずつ転記します。表示される範囲や確認できる情報には限りがあるため、確定申告の直前にまとめるより、日常的に記録しておく方が安全です。

Excelで作る簡易帳簿テンプレートの列構成

Excelの1行目に以下の8列を用意するところから始めます。

  • A列:日付
  • B列:商品名
  • C列:販売価格
  • D列:メルカリ手数料(販売価格×10%)
  • E列:送料
  • F列:仕入れ値
  • G列:梱包費
  • H列:利益(C-D-E-F-G)

H列の利益は計算式で自動算出できるため、数式を1行入れてしまえばあとは下にコピーするだけです。1行が1取引に対応するため、白色申告の収支内訳書を作る際もこのシートをそのまま集計に使えます。複式仕訳(借方・貸方の記帳)は白色申告では不要です。

実際の数字でイメージすると、次のようになります。

計算例

販売価格
3,000円
メルカリ手数料 10%
300円
送料 らくらくメルカリ便
210円
仕入れ値 ポイント値引き後の実費
1,000円
利益
1,490円

販売価格3,000円に見えても、手元に残るのは1,490円です。この差を記録しておくことが、収支内訳書や確定申告の根拠になります。仕入れ値はポイント値引きを使った場合でも、実際に支払った金額だけを記録します。

月に数件程度であればこの手入力でも十分回ります。ただし取引数が増えてくると、1件ずつの転記ミスや記録漏れが積み重なりやすくなります。件数が多くなってきたタイミングで、記録を自動化する仕組みを整えておくと、確定申告前の作業量を大きく抑えられます。

レシート撮影だけで、経費を自動記録。
フリマネならこの作業を自動化できます

帳簿付けを継続するためのツール活用|freee・マネーフォワードとの連携

仕組みを整えると、転記ミスや記録漏れを「起きにくい状態」にできます。ツール選びの基準さえ押さえれば、導入のハードルはそれほど高くありません。

取引が月10件以下の段階では、Excelの簡易帳簿で十分対応できます。一方、月20件を超えてきた場合や、青色申告(最大65万円の特別控除が受けられる申告方式)を目指す場合は、freeeやマネーフォワードMEといった会計ソフトを使う方が現実的です。件数が増えるほど手入力のコストが上がり、収支記録の精度も落ちやすくなるためです。

会計ソフトCSV取り込みで転記作業を減らす

個人メルカリの公式機能だけでは、取引履歴をCSV形式でダウンロードできません。freeeやマネーフォワードに取り込む場合は、販売履歴をもとに自分でCSVを作るか、フリマ専用ツールで会計ソフト向けのCSVを出力する形になります。

ただし、CSV化したデータの列構成と会計ソフト側の項目が必ずしも一致しないケースがあります。取り込み前に「日付」「金額」「摘要」などの列が正しく対応しているか確認する手順が1ステップ加わる点は、あらかじめ把握しておくと焦りません。

たとえば、販売手数料や送料をメルカリの取引明細から拾い、経費として仕訳(収入と支出を科目ごとに分類する作業)に登録しておくと、確定申告の時期に改めて数字を集め直す手間がなくなります。日常の記録が、そのまま申告前処理につながる形です。

フリマネージャーのChrome拡張を使うと、メルカリの販売データを自動取得して、会計ソフトに対応したCSV形式で出力できます。この機能はpro・確定申告プランで利用できるものです。CSVの列調整が面倒に感じる場合は、選択肢の一つとして検討できます。

日常的に収支記録を積み上げておくことが、確定申告直前の大きな負担を防ぐ最善策です。ツールを使うかどうかに関わらず、「その日の取引はその日のうちに記録する」習慣を作っておくと、帳簿の保管期間(白色申告5年、青色申告7年)を通じて管理しやすい状態が続きます。要点の整理は次のまとめで確認します。

帳簿の基本を別の切り口でも確認したいなら メルカリ帳簿のつけ方 を、経費側の帳簿を重点的に整理したいなら メルカリ 経費 帳簿のつけ方 もあわせて読んでみてください。

まとめメルカリの帳簿付けは4項目の記録から始める

記事全体で押さえてきたポイントを、一度まとめておきます。

  • 記録すべき項目は「販売価格・メルカリ手数料・送料・仕入れ値」の4つ
  • 白色申告なら複式簿記は不要。収支内訳書レベルの簡易帳簿で対応できる
  • Excelで始めるなら、1行1取引で日付順に並べるだけで帳簿として機能する
  • 取引数が増えてきたら、販売履歴をもとにCSV化し、会計ソフトに取り込んで転記作業を減らす
  • 帳簿や書類は種類に応じて5年または7年を目安に保管する。デジタル保存でも可

まずは今日の売上1件を記録することから始めてみてください。

記録を日常の習慣にしておくと、確定申告(毎年2月16日〜3月15日)の時期に慌てずに済みます。蓄積されたデータが、前処理の大部分を引き受けてくれます。