メルカリの経費は、仕入高・荷造運賃・販売手数料・消耗品費・通信費の5つの勘定科目に分けて記録するのが基本です。 ただし、不用品の売却には原則として経費計上が認められず、副業・事業として転売している場合にのみ各科目が使えます。 この記事を読めば、経費ごとの正しい勘定科目と仕訳の考え方がわかり、会計ソフトへの入力を自力で進められるようになります。

メルカリ経費の勘定科目:まず5つの分類を押さえる

メルカリの経費は、大きく5つの勘定科目(費用を分類するための帳簿上の名称)に整理できます。まずこの5つを頭に入れておくと、会計ソフトへの入力時に迷いにくくなります。

主要5科目とそれぞれが対応する経費の一覧

メルカリ販売に関わる経費と、対応する勘定科目の組み合わせは以下のとおりです。

勘定科目対応する経費の例
仕入高販売目的で購入した商品の仕入れ代金
荷造運賃発送時の送料、梱包材(段ボール・緩衝材など)
販売手数料メルカリの販売手数料10%
消耗品費梱包テープ・OPP袋・プリンターインク代など
通信費スマホ代・インターネット回線代(業務利用分を按分)

一点補足しておくと、これらの科目名は税法上で厳密に決まった名称ではありません。会計ソフトによっては「荷造運賃」が「発送費」と表示されていたり、「販売手数料」が「支払手数料」と表示されていたりする場合があります。表記が違っても、費用の性質が合っていれば実務上は問題ありません。

不用品売却と副業転売で科目の使い方が変わる理由

じつは、これら5科目をそのまま使えるのは「副業・事業として転売している場合」に限られます。不用品売却の場合は話が変わります。

自宅で不要になった本や洋服などの生活用動産を一時的に売るだけなら、所得税がかからないケースがあります。たとえば、自宅で不要になった本や洋服を売った場合、そもそも「仕入れた」という概念が成立しないため、仕入高という科目を使う前提が崩れます。継続販売や高額品の売却など課税対象になる場合だけ、必要経費をどう扱うかを個別に確認します。

一方、継続的に商品を仕入れて転売している副業・事業の場合は、売上に対応する仕入れ代金・送料・手数料・梱包材などを「必要経費」として帳簿に記録できます。青色申告(複式簿記を使った申告方法)を選択していれば、さらに細かく経費を分類して節税効果を高めることも可能です。

自分がどちらの立場かを先に確認しておくことが、正しい仕訳の第一歩です。科目の分類ルールがわかったところで、次は「実際に何が経費になって、何がならないのか」の判断基準を整理していきます。

メルカリで経費にできるもの・できないもの

経費として計上できる項目は、メルカリをどんな目的で使っているかで大きく変わります。副業・事業として転売している場合と、自宅の不用品を売っているだけの場合とでは、認められる経費の範囲が異なるからです。

副業転売で経費計上OKな項目と判断のポイント

副業・事業として転売を行っている場合、仕入れや販売に直接関係する支出は、原則として必要経費として帳簿に記録できます。

代表的な経費計上OKの項目は次のとおりです。

  • 仕入れ代金(仕入高):商品を購入した金額
  • 送料(荷造運賃):らくらくメルカリ便・ゆうゆうメルカリ便など
  • 梱包材(荷造運賃または消耗品費):ダンボール・OPP袋・緩衝材など
  • メルカリ販売手数料10%(販売手数料):売上から自動差し引きされる金額
  • スマホ代・通信費の業務按分(通信費):業務利用割合に応じた金額

判断のポイントは「その支出が販売活動と直接つながっているか」です。たとえば、仕入れのために交通機関を使った場合は旅費交通費、商品撮影のために購入した照明や背景布は消耗品費として計上できます。

按分(あんぶん)とは、プライベートと業務で共用しているものの費用を割合で分ける計算方法のことです。スマホを業務で40%使っているなら、月額料金の40%だけを通信費として計上します。自宅の一室を作業スペースにしている場合の家賃按分(地代家賃)も同じ考え方です。ただし按分の割合設定がグレーゾーンになるケースもあるため、判断に迷う場合は税理士に確認するのが安心です。

個人の不用品売却で経費扱いにできないケース

自宅の衣服や生活用品などを一時的に売るだけなら、生活用動産の売却として所得税がかからないケースがあります。この場合、そもそも副業・事業としての経費計上とは分けて考える必要があります。

たとえば、もともと自分で購入して使っていた服や家電を売る場合、その購入代金は「仕入れ」ではなく「過去の生活費」にあたります。そのため、仕入高として帳簿に記録することはできません。

経費計上できない主な例を整理すると、次のとおりです。

  • プライベートで購入・使用していた商品の購入費
  • 家族との食事代など、業務と関係のない支出
  • 事業との関連が説明できない消耗品や設備

一方、不用品売却であっても、販売のために実際に発生した送料や梱包材の費用は、売却益から差し引ける場合があります。ただし、適用できる金額や条件は状況によって異なるため、青色申告(帳簿をつけることで税制優遇を受ける申告方式)の対象外となるケースでは、税務署や税理士に確認することをおすすめします。

経費にできるかどうかの判断基準が整理できたところで、続いては各勘定科目ごとの具体的な仕訳の手順を確認します。

勘定科目ごとの仕訳のやり方:会計ソフト入力まで

経費として計上できる項目が明確になったら、実際に帳簿へ記録する作業に入ります。ここでは「何の費用として何円入力するか」という視点で、各勘定科目の仕訳を整理します。

仕入高・荷造運賃・販売手数料の仕訳の具体例

たとえば、商品を3,000円で販売した場合を例にとります。この1件の取引には複数の費用が絡んでいます。以下の計算例で確認してください。

計算例

販売価格
3,000円
メルカリ手数料 10%
300円
送料 らくらくメルカリ便
210円
仕入れ値 ポイント値引き後の実費
1,000円
利益
1,490円

この1件を帳簿に記録するとき、費用は3つに分けて入力します。仕入れ代金1,000円は「仕入高」、送料210円は「荷造運賃」、メルカリの販売手数料300円は「販売手数料」です。

梱包に使ったダンボールやOPP袋などの梱包材は、「消耗品費」か「荷造運賃」のどちらかで記録します。仕入れのたびに変動する少額消耗品は「消耗品費」に入れるのが分かりやすく、送料と一括で管理したい場合は「荷造運賃」にまとめても問題ありません。会計ソフト内で科目を一度決めたら、以降は同じ科目に統一することが大切です。

青色申告(複式簿記による帳簿記録で最大65万円の特別控除が受けられる申告方式)では、帳簿の記録に加えて証憑(しょうひょう)の保管が必要です。メルカリの場合は取引明細画面のスクリーンショット、梱包材の購入レシートが証憑になります。帳簿・領収書は種類に応じて5年または7年を目安に保存するため、デジタルデータで保存しておくと後から探しやすくなります。

freee・マネーフォワードでの科目選択の手順

会計ソフトで迷いやすいのが、科目名の表記の揺れです。freeeでは「仕入高」は「期末棚卸高」と対で管理する仕組みがあり、マネーフォワードでは「売上原価」の下に「仕入高」を設定する流れになります。どちらも大きな差はありませんが、初回設定時に科目の階層を確認しておくと入力ミスを防げます。

荷造運賃を入力する画面で「通信費」が近くに並んでいて迷うことがあります。送料・梱包材の費用は「荷造運賃」、スマホ代やインターネット回線の業務按分(全体費用のうち業務利用割合で計算した金額)は「通信費」と、用途で明確に分けるのが基本です。

一方、スマホで商品撮影や購入者とのやり取りをしている場合、スマホ代の按分割合をどう設定するかは判断が分かれます。業務利用が全体の50%程度であれば、スマホ代の50%を「通信費」として入力するのが一般的な考え方です。freeeでもマネーフォワードでも、仕訳の「摘要欄」に「スマホ代 業務50%按分」のようにメモを残しておくと、確定申告の際に根拠を説明しやすくなります。

取引件数が少ないうちは1件ずつの手入力でも回せますが、出品数が増えると手数料・送料・仕入れを毎回手で入力するのは時間がかかるうえ、入力漏れが起きやすくなります。取引データをそのまま記録に残せる仕組みを早めに整えておくと、月末や確定申告前の作業が大幅に楽になります。

レシート撮影だけで、経費を自動記録。
フリマネならこの作業を自動化できます

経費記録を続けるための自動化とツール活用

仕組みを整えておく価値は、取引件数が少ないうちは実感しにくいものです。ただ、月に10件・20件と増えてくると状況は変わってきます。

売上・経費データをまとめて管理する仕組みの作り方

たとえば、1件の取引を帳簿に記録するには、販売価格・販売手数料10%・送料・仕入れ値の4項目を入力する必要があります。月50件あれば、それだけで200回以上の入力作業です。手作業で続けると、勘定科目の誤分類や記録漏れが起きやすくなります。確定申告の直前に「あの取引はどこへ記録した?」と探し回る事態も、こうした積み重ねから生まれます。

対策として有効なのは、メルカリの取引データを自動で取得できるツールを活用することです。フリマネージャーのChrome拡張を使うと、売上・販売手数料・送料といったデータをまとめて取り込めます。1件ずつ転記する手間がなくなるため、科目の誤りや漏れが起きにくくなります。

記録の継続という観点でもう一つ重要なのが、会計ソフトとの連携です。Proまたは確定申告プランではCSV出力に対応しており、freeeやマネーフォワードで読み込める形式に近いデータを書き出せます。取り込み前に列や勘定科目を確認する必要はありますが、取引明細を手で入力する作業は大幅に減ります。青色申告の帳簿として使う場合も、証憑(しょうひょう)となるデータを一元管理しやすくなります。

手入力を否定するわけではありません。取引件数が少ない段階では、1件ずつ確認しながら入力する方が理解も深まります。ただ、件数が増えた時点で仕組みを変えようとすると、過去データの整理から始めなければならず二度手間になります。早めに記録の流れを作っておくと、確定申告の時期に慌てずに済みます。

経費の勘定科目が整理できたところで、最後に記事全体の要点をまとめます。

個別費目ごとの扱いを深掘りしたいなら メルカリの送料は経費になる?メルカリ手数料は経費になる? を読むと、科目選びの迷いがかなり減ります。

まとめメルカリ経費の勘定科目を正しく使おう

この記事で押さえたポイントを、最後に整理しておきます。

  • 基本は5科目:仕入高・荷造運賃・販売手数料・消耗品費・通信費が主要な分類になる
  • 状況によって経費計上の可否が変わる:生活用動産の一時的な不用品売却と、副業・事業としての転売では、課税関係や計上できる経費の範囲が異なる
  • 科目名の表記揺れに注意する:会計ソフトによって名称が微妙に違うため、入力時に確認が必要
  • 証憑(しょうひょう)は必ず保管する:取引明細・領収書は帳簿とセットで、種類に応じて5年または7年を目安に保管する
  • 取引件数が増えたら早めに仕組みを整える:手動入力は件数が増えるほど記録漏れや誤分類のリスクが高まる

まず確認したいのは、自分の売り方が「不用品売却」か「副業・事業としての転売」かという点です。そこが決まれば、どの経費を計上できるかの判断基準も自然に定まります。

確定申告の準備は、売上と経費の記録を日常から積み上げておくことが、結局いちばんの近道です。